【院試解答】令和2年度 九大院理学府 物理学専攻 I[B]

院試解答

Youtubeで歳差運動の動画があります。

(1)

 角運動量の大きさは\(L = I\omega_1\)であり、重心方向であるので、

$${\bf L} = (0,0,I\omega_1)$$

(2)

 モーメントは\({\bf N} = {\bf r} \times {\bf F}\)と書ける。今、重心方向は\(+z\)方向であるので、\(+x\)方向に撃力を加えると、\(+y\)方向にモーメントが働く。

(3)

$${\bf L} = (0,F\Delta t l,I\omega_1)$$

(4)

 コマは\(y\)方向に角度

$$\theta = \tan^{-1} \left(\frac{F\Delta t l}{I\omega_1} \right)$$

だけ傾く。

(5)

 重心ベクトル\({\bf R} = (X,Y,Z)\)とする。重心に重力\({\bf F} = -Mg{\bf e}_z\)が働くので

$$\begin{align} {\bf N} = {\bf R} \times {\bf F}  = (-MgY ,MgX,0)\end{align}$$

(6)

 角運動量を\({\bf L} = (L_x ,L_y,L_z)\)とすると、回転の運動方程式は

$$\frac{dL_x}{dt} = -MgY, \hspace{4mm}\frac{dL_y}{dt} = MgX, \hspace{4mm}\frac{dL_z}{dt} = 0$$

となる。また、問題文より角運動量の大きさは\(L = I\omega_2\)であり、その方向は重心方向と考えられるので

$${\bf L} = I\omega_2 {\bf e}_r = \left(I\omega_2\frac{X}{R},I\omega_2\frac{Y}{R},I\omega_2\frac{Z}{R} \right)$$

と書ける。よって、

$$\begin{align}\frac{dX}{dt} &= -\frac{MgR}{I\omega_2}Y \\ \frac{dY}{dt} &= \frac{MgR}{I\omega_2}X \\ \frac{dZ}{dt} &= 0 \end{align}$$

(7)

 先ほどの微分方程式を連立して解くと

$$(X,Y,Z) = (A\cos(\Omega t) , A\sin(\Omega t),C)$$

が得られる。ただし\(A,C\)は定数で、\(\Omega =\frac{MgR}{I\omega_2} \)である。

(8)

 先ほどの式はコマの重心が角振動数\(\Omega =\frac{MgR}{I\omega_2} \)で水平面内を回転運動をすることを表している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました